海洋プラスチックごみによる環境汚染が社会問題化するなか、長野県伊那市や地元JAなど26団体でつくる市農業振興センターが、プラスチックを使わない「本物のストロー」の普及に取り組んでいる。
ストローはもともと英語で「麦わら」。地元の畑で育てた麦を加工して、市社会福祉協議会が運営する事業所で働く障害者らがストローに仕上げている。
6月8日昼過ぎ、中央道小黒川サービスエリアに近い同市西町の10アールの麦畑に、市職員や多機能型事業所「輪っこはうす・コスモスの家」などで働く障害者ら約20人が集まった。
120センチほどに育った「ライ小麦」を市職員が刈り取り、障害者らは軽トラックに運び込む。
収穫した麦は茎の部分を3、4等分し、煮沸消毒した後に1カ月ほど乾燥させ、内径3~4ミリ、長さ18センチと20センチの2種類のストローに加工する。この畑の麦だけで、2万4千本分のストローを作ることができる。
ストローは分解されやすい「生分解性プラスチック」の袋に3本ずつ入れて、市内の道の駅「南アルプスむら長谷」や「はびろ農業公園みはらしファーム」などに出荷され、1袋100円(税込み)で売られている。市内外で開かれるイベントなどにも提供し、注文があった市内の飲食店へのばら売りも行っている。
障害者が働く場所の確保に
市農業振興センターの事務局…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル