「来て」。約2万人のランナーの中、福島県いわき市の小学校教諭田島裕司さん(49)は、白地に黒く太い字で書かれた旗(縦約80センチ、横50センチ)を持って走った。10月の台風19号の被災地にボランティアの人手が足りない窮状を訴えるためだ。
台風19号で、いわき市内を流れる夏井川の堤防が決壊し、多くの家が浸水。田島さん宅も床上浸水した。水害から1カ月が過ぎたいまも、自宅の床板の一部は外したままだ。それでも休日は、ボランティアで他の被災した住宅の片付けを手伝う。
田島さんは東日本大震災をきっかけに災害ボランティアを続けてきた。田島さんの自宅の被害は大きくなかったが、原発事故で市外へ自主避難した教え子が「先生、大丈夫?」と気遣ってくれた。子どもたちに恥じないよう、教師として行動で示すことが大切だと考えたからだ。地震の被害にあった地元のほか、昨年の西日本豪雨で被災した岡山県倉敷市真備町など、支援した住宅は200軒ほどになるという。
「ボランティア元年」と呼ばれ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル