「来てくださいと言っていいのか…」 知床事故、悩む観光関係者

 北海道・知床半島沖に沈んだ観光船は、町から観光客を奪った。あれから5カ月、いまだ行方のわからない8人の捜索は続き、地元・斜里町の観光関係者は複雑な思いを抱えたままだ。それでも、信頼回復に向けた歩みを進める。

 「まだ胸を張って、来て下さいとは言えない。それが正直な気持ちです」

 観光船「KAZUⅠ(カズワン)」の事故が起きた斜里町。知床斜里町観光協会の事務局長、新村武志さん(55)は胸の内を明かす。

 17日からの3連休、知床観光の拠点である同町ウトロは多くの観光客でにぎわった。台風の接近で天候は崩れ、一部の観光船は欠航。ヒグマの出没情報が寄せられたことでガイドツアーにも影響が出たが、道の駅の駐車場は車で埋まり、海鮮丼などが名物の飲食店には行列ができた。

 一見、回復したかに見える町の観光客数。それでもコロナ禍前の2019年8月は、宿泊者だけみても約7万6千人いたが、今年は約3万9千人で、半分程度にとどまっているという。「一度失った信頼を取り戻すのは簡単なことではない。1年かかるのか、2年必要か。それ以上かもしれない」

「知床怖い」こたえたSNS

 町で観光に携わる人たちの胸…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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