東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)で不正侵入が長期間検知できなくなっていた問題を受け、原子力規制委員会は17日、東電が再稼働を目指す7号機に核燃料を搬入するのに必要な手続きを当分の間保留すると決めた。テロを防ぐ核物質防護の不備を「極めて深刻」(更田豊志委員長)とみて、問題が解消するまで核燃料を扱う手続きは進められないと判断した。
東電によると、柏崎刈羽では昨年3月以降、計15カ所で侵入を検知する装置が故障。10カ所で30日以上検知できない状態が続いた。社員警備員は代替措置に実効性がないと認識していたが、改善されなかった。規制委は16日、安全確保への影響が大きいとして、赤、黄、白、緑の4段階で最悪の「赤」と暫定評価した。
今後、評価を確定させた上で、半年以内に第三者による問題の検証結果などを東電に報告させる。また、のべ約2千時間の追加検査で根本原因などを調べる。検査中も東電は再稼働に向けた手続きを申請できるが、規制委は、核燃料を動かす際にテロに狙われやすくなるとして、当分、原子炉への搬入は認めない。
柏崎刈羽では、社員が他人のIDカードで中央制御室に不正侵入した問題で2月に「白」と評価されたばかり。今回は第三者が不正侵入できる状態が続いていた点でより深刻だ。更田委員長は17日の参院予算委員会で「核セキュリティー文化はズタズタだったのに、安全文化は立派とはなかなか考えにくい」などと述べ、問題がさらに広がる可能性を示唆した。(小坪遊、桑原紀彦)
国のエネルギー政策にも影響か
「これだけ不祥事が多い。もうだれも信じませんよ、東電のことは」
17日午後の参院予算委員会。…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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