広島市の平和記念公園と米ハワイ州のパールハーバー国立記念公園との姉妹公園協定をめぐり、広島市の局長が市議会で「原爆投下に関わる米国の責任の議論を現時点では棚上げする」と答弁した件で被爆地に波紋が広がっている。22日の市議会でも議論の的になったほか、平和団体の関係者らが反発。あの日から78年経ってもくすぶり続ける問題の根深さが浮き彫りになった。
「棚上げという言葉は、一般的には問題の解決処理そのものを放棄するというものではなく、あくまで事情に応じて、一時的に保留するというものだ」。22日の市議会で、前日の「棚上げ」発言の真意を問われた同市の村上慎一郎市民局長はそう答弁した。「姉妹公園協定がアメリカ国家の責任を不問免罪にするためのものではないということを理解してもらうために用いた」と述べた。
問題の発端となった協定は、5月に広島市であった主要7カ国首脳会議(G7サミット)を前に、米国側が「太平洋戦争の当事者間の相互理解と平和の推進を目的とする」などとして市側に打診したものだ。若い世代向けの教育に関する経験の共有などを想定している。市は「サミットで発表された核軍縮に関する『広島ビジョン』の機運醸成につながる」と応じたが、平和団体からは「真珠湾攻撃と原爆投下が同一線上で語られている」との懸念や、広島ビジョンが核抑止論を正当化する内容だったことから批判の声が上がっている。
「棚上げ」という表現について、広島市の松井一実市長は22日、朝日新聞の取材に対し、自身と調整済みの文言だったと認めた。
意図については、日米間で平…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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