地元で育った木を使って家具を作る。そんな当たり前のようなことが、実は意外に難しいのだという。北海道の山中で「森のキツネ」と名乗り、一人で挑戦している男性がいる。
北海道下川町は、旭川市から北へ約100キロの山に囲まれた町だ。2016年に町に移住してきた家具職人、河野文孝(やすゆき)さん(44)は、人口約100人の一の橋地区に工房「森のキツネ」(https://morino-kitune.com)を構える。もともと診療所だった建物で、いまも工房前のバス停は「診療所前」のままだ。
河野さんは個性的な品ぞろえを武器に、各地のセレクトショップでの販売や、個人からの受注などで家具を制作をしている。
工房の中には加工前の製材が並ぶ。ただ、ホームセンターなどで見かけるものとはちょっと違う。形を均一にカットしたものではなく、湾曲が残ったり、大きさがまちまちだったりと、樹木の形をそのまま残したものなのだ。
「森のキツネ」工房名に込めた思いとは
「これがメジロカバ、これがマカバ。全部この近くの山で取れたものなんですよ」と、河野さんが教えてくれた。正直、製材としてはあまり聞き慣れない樹種だ。
完成したテーブルを見せても…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル