「横領やりました」部下の告白 上司が負わされた3千万円の監督責任

 定年で公務員人生を終え、次に選んだ仕事も公務員だった。だが1年経って部下による横領の後始末を負わされるとは、夢にも思わなかった。使い道は、アイドルやネットゲームだと知らされた。「賠償」として、役場からこの男性ら元上司4人に請求されたのは総額5055万円。うち最も多い3千万円を請求された男性は言う。「なぜ私だけが……」

 太平洋に面した三重県南部に位置する南伊勢町。県職員を38年勤め上げた男性が町立南伊勢病院の事務長に就いたのは、2021年4月1日。3年間の任期付き職員としての採用で、県からの紹介だった。労務管理のほか、人事評価や議会対応など、事務量は想像以上に多かった。

 組織の長は仕事の大枠を進め、日々の会計業務のチェックについては係長らがしてくれると思っていた。そもそも会計のチェック方法に関するマニュアルもなかったという。

 それでも病院が管理している現金預金の推移は把握しておこうと、自分で数字を拾って表を作っていた。事務長就任から1年たったころ、病院の患者が増え、収益も増えているのに預金が減っていることに気づいた。「なんでやろ?」。会計担当の職員に問いただしたが、要領を得ない。町側にも報告した。何度もやり取りをしているうちに昨年6月、この職員は居並ぶ副町長らの前で告白した。

 「(横領を)やりました。1億5千万円ぐらい」

「一生かけて償いたい」、まだ弁済は987万円

 町立南伊勢病院の会計担当だ…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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