「正しい家族」への違和感を書いてきた 直木賞に決まった窪美澄さん

 第167回直木賞の受賞が決まった窪美澄(くぼ・みすみ)さんの一問一答は以下の通り。

 ――いまの思いは

 まだ実感があまりなくて。汗が止まらず、飲んだ水のおいしいことおいしいこと。こんなにおいしいお水、生まれて初めてじゃないかというぐらいおいしかったです。

 ――コロナによって小説への思いは変わりましたか?

 5編のうち2編がコロナについて書いている。この3年間のあいだ、非常に重いものを私もみなさんも抱えて生きていたと思う。せめて小説のなかでは、ちょっと心が明るくなるようにと思って書いたのがこの作品集です。ちょっとでも息抜きになってくれればいいなと思って作品をつづってきました。

 ――コロナ禍で執筆への影響は?

 子供が独立し、1人で暮らしているので、独りでいる時間が長くて長くて。TikTokやネットフリックスとかを見ていました。息抜きがほしいと強く思うようになりました。

 ――生と性、死をテーマに書いてきた窪さんの集大成のような短編集。この作品への思いは?

 今回は性は前面には出ていないけれど、私の小説家としてのデビューは「女による女のためのR-18文学賞」。私が応募したときは性がテーマでした。なので私の初期の作品は性が前面に出た話が多いと思います。死については、コロナで亡くなっていく方が多くいらっしゃったし、私自身も長男を生まれてすぐに亡くしている。意識しなくても生や死は私の作品に自然とにじみでてくるテーマだと思います。

 ――作品のなかで、喪失感を抱えた人が最後に小さな希望をみつける。直木賞は希望になりますか?

 いただいておいてあれなので…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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