「正体隠す伝道、規制を」 旧統一教会問題、長年関わる弁護士が講演

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の元信者らの救済に30年以上携わってきた全国霊感商法対策弁護士連絡会代表世話人の郷路征記弁護士(札幌弁護士会)のオンライン講演会が開かれた。霊感商法や高額な献金といった教団の布教活動の違法性を指摘し、規制の必要性を訴えた。

 自由法曹団北海道支部などが23日夜に開催し、全国から弁護士や大学職員ら約450人が参加した。

 郷路弁護士によると、教団による布教活動は組織的で、金銭的に余裕があって信心深い人を狙い定め、不幸の原因が家系にあるなどとして、家系を学ぶセミナーに勧誘するという。郷路弁護士は「教団の勧誘であることを隠し、本人の知らぬ間に信仰心を植え付ける点に法的な問題がある」と述べた。

 安倍晋三元首相の銃撃事件で現行犯逮捕され、殺人容疑で送検された山上徹也容疑者の母親は入信していた。郷路弁護士は「山上容疑者の母親は信教の自由を侵害されていた。正体を隠した伝道活動が禁じられていれば、悲劇は起こらなかった」と指摘。個人が信教を自主的に選択する自由意思を守るため、宗教団体の正体を隠した布教活動を規制する必要性を訴えた。

 郷路弁護士は元信者らが教団に対し損害賠償を求めた訴訟で原告代理人を務めてきた。2012年には札幌地裁で、教団の布教活動の違法性が認められ、教団に対し元信者ら56人へ計約2億7800万円を支払うよう命じる判決を勝ち取った。

 判決は「統一教会では多額の…

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旧統一教会問題

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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