文・石田貴子、写真・新井義顕
ザバー、ザザザー。何かが飛んできた! ここの「住人」は、みんな生き生きしている。野性への扉、一緒に開けてみない?
空から花が降ってくるようで思わず写真を撮る。グラスハウスに足を踏み入れると出迎えてくれるのが、つり下げられた色とりどりの花の鉢。約100種のスイレンの葉が水面を覆うプールでは、水彩画のような花の凜(りん)とした立ち姿に引きつけられる。至る所にみずみずしい植物があふれる。その数1千種1万株。
神戸どうぶつ王国は、入園者数の減少などで経営破綻(はたん)した神戸花鳥園の施設を引き継ぎ、2014年7月に開園した。植物が生い茂る空間で生き生きと動物が暮らす。見上げた木の枝をアリクイが歩いていたり、足元にマーモセットがたたずんでいたり。振り返れば枝にとまっている色鮮やかなインコと目が合う。
佐藤哲也園長(64)は、長く世界の動物園やジャングルを見てきた。18年と19年、視察で訪れたボルネオのジャングルで、頭上の木をジャコウネコが歩く姿を見て感動した。「絶対こうやって動物を歩かせよう」。行く手を阻む森の葉、河原の爽快感、そこに潜む動物の気配――。その体感を、園づくりに投影した。
記事後半では、地元で人気のグルメスポット紹介や会員登録すると応募できるプレゼントもあります。
「歩いて楽しくない動物園は…
この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。
残り:852文字/全文:1366文字
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル