「殺すぞ」電話越しの怒声 10万円申請、自治体の苦悩

 新型コロナウイルス対策で全国すべての人に一律10万円を配る「特別定額給付金」の申請対応に各自治体が苦悩している。悩みの種は「オンライン申請」だ。膨大な確認作業と、素早い給付を求める声との板挟みで、担当者からは恨み節も出る。

 「いつになったら振り込まれるんだ」「殺すぞ」「早くやれ。すぐやれ」

 名古屋市内のビルの一室。鳴りやまない電話の受話器越しに怒声が響く。ノートパソコンと卓上電話、マニュアルが置かれた白い事務机が整然と並ぶ部屋は、名古屋市の定額給付金申請受け付けの最前線だ。

 人口約230万人、約113万世帯への膨大な支給を担う市職員は応援職員を含めて11人。委託業者から派遣された約20人が市職員の指示を受け、パソコンに通帳やクレジットカードの画像を映し出し、口座番号を読み上げる。それを隣のスタッフが別の画面を見て確認する。オンライン申請でも、振込口座の確認は目視と口頭の読み合わせというアナログな手法だ。

 これまで約3万6千件のオンラ…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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