山口啓太
毒蝮三太夫(どくまむしさんだゆう)からの心からのお願いです――。そんなセリフから始まる音声放送が、特殊詐欺の被害防止に役立っているとして、警視庁目黒署は14日、声の主でタレントの毒蝮三太夫さん(86)に感謝状を贈った。「詐欺らしき電話がかかってきたが、毒蝮さんの声を聞いていたので切ることができた」。署にはそんな感謝の声も届いているという。
音声放送は署が毒蝮さんに依頼して制作。3パターンあり、代表的な手口に当たる①預貯金詐欺②還付金詐欺③オレオレ詐欺のそれぞれに注意を促す。例えば②の場合だと、毒蝮さんが「保険金、医療費、還付金、給付金などの言葉が出たらそれは詐欺」などと呼びかけている。
署は7月以降、所管する東京都目黒区内を走る警察車両や、駅構内、商店街のスピーカーを使い、この放送を毎日繰り返し流してきた。8~10月の同署管内の被害件数は、昨年が14件だったのに対し、今年は6件にとどまっているという。
毒蝮さんはユーモアのある毒舌が高齢者を中心に人気だ。感謝状を受け取った毒蝮さんは「ジジイ、ババア、くたばり損ない、オレオレ詐欺に気をつけろ! ジジイからの切なる願いです」と改めて住民らに言葉を贈った。(山口啓太)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル