「民主主義がじり貧」 河井買収事件の舞台で政治学者が鳴らす警鐘

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聞き手・戸田和敬

 河井克行元法相と妻・案里氏の大規模買収事件は過去のものではない。舞台となった広島では、現金を受け取ったとされる地方議員の裁判が続くなか、統一地方選が迫る。

 いま、事件が問いかけるものは何か。広島大大学院の森辺成一教授(日本政治史)は「国民の目に触れない形で議員が頻繁にカネのやり取りをしている問題が明らかになった」と指摘し、「政治家は普通の人がやる仕事ではないと思われてしまう」と話した。

 そして「民主主義がじり貧」と警鐘を鳴らした。求められる対応を聞いた。

河井事件とは

 2019年7月の参院選広島選挙区をめぐり、河井克行元法相が妻の案里氏を当選させようと、地元議員ら計100人に計約2900万円を渡した事件。河井元法相は懲役3年、案里氏はこのうち5人に計170万円を渡したとして懲役1年4カ月執行猶予5年が確定している。

 ――河井事件の影響は。

 国民の目に触れない形で国会議員と地方議員の間で頻繁にカネをやり取りしている問題が明らかになった。そこに、後ろめたさ、やましさがあまり感じられない。国民にとって、政治家という存在の異質性が浮き彫りになったと思う。

 政治にお金がかかるのはやむ…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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