「沖縄の現実見つめる」平和行進 4年ぶり人数制限なく2千人見込み

 沖縄の日本復帰から15日で51年を迎えるのを前に、基地のない平和な沖縄の実現を訴える「5・15平和行進」が13日、県内で行われた。参加者は、極東最大級の米軍嘉手納基地前などをめぐる「中部基地コース」(約12キロ)と、沖縄戦最後の激戦地・糸満市摩文仁(まぶに)をめざす「南部戦跡コース」(約11キロ)に分かれ、歩みを進めた。

 平和行進は1978年に始まり、新型コロナウイルスの影響で中止になった2020、21年を除き、毎年開催されてきた。昨年は人数制限を設けて実施され、今年は4年ぶりに制限が撤廃された。沖縄平和運動センターなどでつくる実行委員会によると、2千人近くの参加者が見込まれているという。

 中部基地コースは読谷村役場で出発式を開いた。団長の仲宗根哲さん(59)は国内の米軍専用施設の7割が沖縄に集中していることに触れ、「この現状を本土のみなさんに受け止めてもらいたい」と訴えた。

 04年に米軍ヘリが墜落した沖縄国際大の3年生、西本真梨さんは「事故を二度と繰り返させないためにも、米軍基地そのものをなくさないといけない」。最近は南西諸島で自衛隊のミサイル配備が進んでいることも気になるといい、「沖縄が再び戦場になりかねない」と語った。

 山口市から訪れた団体職員の林正寛さん(48)は昨年に続いて参加し、南部戦跡コースを歩いた。「基地問題は決してひとごとではない。今日の思いを、帰っても持ち続けたい」と話した。毎年参加している非常勤職員の宮里節子さん(65)=沖縄市=は「自衛隊の強化が進む沖縄の現実を見つめ、みんなで考える一日にしたい」と語った。(小野太郎、棚橋咲月)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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