「海に生きる人として」養殖業の男性、漂流船の男女救助

 小型船舶に衝突されて航行不能になっていたミニボートに気づき、救助を求めていた男女2人を自分の船で港まで届けた、熊本県天草市御所浦町でトラフグやカンパチなどの養殖業を営む鶴岡敬治さん(72)が、熊本海上保安部に表彰された。「海に生きる人間として当たり前の行動をしただけ。2人を助けられてよかったです」と話した。

 鶴岡さんは昨年12月21日午後2時すぎ、所有する昌盛丸(4トン)で御所浦島の嵐口(あらくち)港まで戻ろうとしていた。時雨が降る寒空の下、荒れはじめた海を速度を落として進んでいると赤い旗が目に入った。近づくと3メートルほどのミニボートの上で男女2人が手を招いて助けを求めていた。「私の船に乗ってください」と声をかけ、ボートを港まで2キロほど引航し2人を救助した。

 2人は熊本市内から釣りに来ていた60代の夫婦。午後1時35分ごろ、御所浦島と横浦島に挟まれた海域で小型船舶に衝突され、ミニボートのエンジンが故障し航行不能になっていた。

 表彰式は1月31日、宇城市三角町の三角港湾合同庁舎であった。衝突した船舶はそのまま樋島方向に走り去ったといい、熊本海保は行方を捜索している。情報提供は熊本海保(0964・52・3104)まで。(井岡諒)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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