記録的な大雨が宮城県内を襲い、16日朝には大崎市の名蓋(なぶた)川で堤防が決壊したほか、国道や橋の崩落などの被害が各地で確認された。周囲が冠水して孤立した住宅からゴムボートで救助される住民も相次いだ。避難情報で最も危険度が高い「緊急安全確保」(警戒レベル5)を発令した同市と松島町に対し、県は災害救助法の適用を決定。災害対策本部を立ち上げ、被害の把握に努めている。
宮城県大崎市では名蓋川の堤防が決壊するなどして、古川矢目地区の水田や民家が冠水した。
この日朝、地区の会社員高橋広幸さん(45)は、自宅そばの盛り土された道路に車をとめて、妻や娘2人と避難した。「まさか堤防が決壊するとは思わなかった」
早朝に車を移動させ、1階の荷物を2階に上げて備えた。自宅は床上浸水。ここ10年で浸水は3度目で、「慣れてしまった部分もあるが、最悪です」と肩を落とした。
一帯は昼を過ぎてもあふれ出た川の水が引かなかった。同日午後には孤立した住民たちが次々とゴムボートで救助された。
孤立した会社員千葉信一さん(63)は午後2時15分、電話で区長に助けを求めた。玄関から廊下へと浸水し、畳が浮き始めていた。
約20分後にレスキュー隊がやって来て、妻光枝さん(61)と母啓子さん(84)、飼い犬とともにゴムボートで救助された。
これまでも川の水が自宅に来たことがあったため、「『またか』くらいで、2階でなんとか過ごそうと思ったが、ちょっと甘かった」と振り返る。「今度は早いうちから避難するしかない」
午後4時過ぎには遠藤ゆき子…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル