名古屋市の河村たかし市長は23日、名古屋市役所で定例会見に臨んだ。市内で感染者や死者が相次いでいる新型コロナウイルスについて「なんで名古屋が多いんだというと、陽性者を丁寧にフォローしてクラスター(集団)を把握しているから。亡くなった方が多いのは高齢者施設で発生してしまったから」と強調した。
「台風の目過ぎたらまたバーッと」
名古屋市では22日までに110人の感染を確認、死者は高齢者を中心に15人に上り、全国でも突出している。市内のスポーツ施設と高齢者施設をそれぞれ中心とした2つのクラスター(感染者集団)が発生したとみて、国や県とともに濃厚接触者の把握や検査を続けている。
河村市長はスポーツ施設のクラスターについては「収束に向かっている」とし、高齢者施設のクラスターについては、周辺の事業所に対する2週間の休業要請は延長しない措置を取ったが「今、持ちこたえているのは『台風の目』に入ったと考えなきゃいかんという説もある。目を過ぎたらまたバーッとなるかもしれない」と、引き続き感染拡大防止への協力を市民に呼び掛けた。
他の自治体と比べて情報公開が少ないという批判を受けては「伝染病については人権侵害のひどい歴史がある。プライバシーは大事にしたい」として、感染者が電車で移動した場合など、濃厚接触者が把握できない場合は電車名や乗車時間などを公表し、特定の施設利用者などの把握できるケースは施設名などを非公開とする、との従来の方針を繰り返した。
大阪・松井市長の主張に否定的な見方
また、経営に影響を受けている中小企業に対しては、融資制度を拡充して資金繰りを支援する方針を表明した。
その上で、今後の経済対策について「ちゃんとお金を回せるように、消費税はゼロにしないかん。名古屋市が減税を実行して証明したように、税収はいずれ元に戻る」などと持論を展開。大阪市の松井一郎市長が日本維新の会代表として「消費税の軽減税率8%を全品目に適用するべきだ」と主張していることについては「2%下げるとかいう話ではなく、総需要をつくらなきゃいかん」と否定的な見方を示した。
(関口威人/nameken)
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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