国の特別天然記念物で絶滅の恐れがあるライチョウを守るため、南アルプス・北岳(3193メートル)でヒナの「ケージ保護」が始まり5年が経った。周辺の生息数は推計で当初の約3・5倍に増え、保護活動は一定の成果を見せている。
今年生まれたヒナと親鳥が、保護されているケージから一斉に外に飛び出した。午前と午後の計6時間ほどの「お散歩」の時間だ。ライチョウの1家族に1人ボランティアが付き、距離を置いて見張る。エサの捕獲や危険の察知など、ヒナたちが自然で生きていく術を母親から学ぶのを見守るためだ。天敵の猛禽(もうきん)類チョウゲンボウが空に姿を現すと、手をたたいて追い払ったりもする。保護は7月上旬から1カ月ほど続く。
「ケージ保護」は雨や天敵からヒナを守るために始められた。ライチョウのヒナは梅雨時の7月上旬ごろにかえり始める。体温調節がうまく出来ないため、雨の中、生後間もなく死ぬことが多い。また、近年では里山に生息するキツネやテンなどが高山帯に進出し始め、ライチョウのヒナを襲うケースも目立つようになってきている。
1980年代、北岳周辺でライ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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