東日本大震災から11日で12年がたった。被害の大きかった東北の3県のうち、災害によるけがの悪化や避難生活の負担による病気で亡くなる「災害関連死」は、福島県が突出して多い。今年2月現在で計2335人に上り、岩手県(470人)、宮城県(931人)を大きく上回っている。
また、復興庁が出している最新のまとめ(昨年3月時点)によると、岩手、宮城は関連死の9割以上が震災から1年以内に生じた一方、福島は2年目以降が4割を占める。さらに、昨年3月10日までの5年間に亡くなった人は岩手で2人、宮城は一人もいない一方で、福島では72人だった。
同庁などによると、今年2月時点の避難者数は岩手887人、宮城1221人(県外避難のみ)に対し、福島は2万7399人。原発事故の避難指示が最大12市町村に広がり、いまも7市町村で指示が続くなど避難の長期化が背景にあるとみられる。
朝日新聞は昨年10月から、関連死の認定例がある福島県内26市町村に情報公開請求をするなどして、開示された24市町村の関連死者2027人分の文書を入手し、分析した。亡くなる経緯を確認できた1379人のうち、震災時に病院に入院中か高齢者施設などに入所していた人が少なくとも476人いたことがわかった。
また、取材や入手した資料によると、24市町村の関連死者約2千人のうち、避難生活で心労が重なったり、将来を悲観したりして自殺した人は、自殺未遂の影響で死亡した人を含め、少なくとも35人に上る。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル