三井化学大牟田工場(福岡県大牟田市)は2日、JR鹿児島線と工場をつなぐ専用鉄道(1・8キロ)を、5月半ばをめどに廃線にすると正式発表した。明治期から続く旧三池炭鉱専用鉄道が前身で、唯一現役だった国内最古の「炭鉱電車」が姿を消す。同社は記録映像を制作し、6月にラストランイベントを開く。
記録映像は、市が舞台の映画「いのちスケッチ」(2019年)の瀬木直貴監督が制作する。市民から炭鉱電車にまつわるエピソードを募り、20~30分のドキュメンタリーとして公開する。ラストランイベントでは映像の完成披露のほか、車両の撮影会などを行う。
記者会見で高井敏浩工場長は「大牟田は創業地で、市民が炭鉱電車を大切に思う気持ちも認識している。鉄道敷をまちづくりに生かせるかどうか検討したい」と話した。
同社によると、原材料の入手先変更に伴い、三池港経由によるトラック輸送に切り替えるため廃線を決めた。北側半分の約1キロ区間はJR九州などからの借地で、早ければ21年度までに線路を撤去し返還する。同社所有地内の線路や製造100年超の車両、駅舎の取り扱いは未定。(吉田賢治)
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