「無事救出」の山岳遭難が増加中 自力で下山できないリスクの認識を

 新型コロナウイルスは、登山界にも大きな影響を与えました。その一つが山岳遭難の増加です。

 警察庁が2023年6月に発表した「山岳遭難の概況」によると、22年の全国の山岳遭難は発生件数、遭難者数がともに統計の残る1961(昭和36)年以降、最多となりました。発生件数は初の3千件を超え、遭難者数も初めて3500人を超えた3506人。23年も遭難が多発しました。

 国内でコロナ禍が始まった20年は、社会的な自粛ムードが登山界にも広まり、前年比で発生件数が237件減、遭難者数は240人減でした。21年の発生件数は、それまで過去最多だった18年と同水準まで戻ってしまいました。さらに22年はワースト記録を塗り替える状況でした。

 遭難者数の内訳で、気がかりな点があります。「無事救出」という割合がコロナ禍をきっかけに増加したことです。

体力不足、道迷い、持病の悪化が背景に

 遭難者数が大幅に減った20…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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