「無添加問題」パン業界に衝撃 不誠実か、企業努力か

 「乳化剤不使用」と表示されたパンに、実は乳化剤と同じ成分が入っている――。業界大手の山崎製パンによる他社製品の分析結果が、議論を呼んでいます。添加物表示を見直すための政府の検討会でも、「無添加」「不使用」を強調する表示の是非が論点の一つに。表示はどうあるべきか、検討会の委員でもある識者2人に聞きました。

誤認与える恐れも 消費生活コンサルタントの森田満樹さん

 乳化剤と同じ成分が入っているのに「乳化剤不使用」と書くのはおかしい、とする今回の山崎製パンの主張は、よく理解できます。消費者は、「不使用」と強調されているのに、まさか同じ成分が入っているとは思わないでしょう。誤認を与えるキャッチコピーで商品を売ろうとするのは不誠実に見えます。裏面の法定表示を見れば添加物使用の有無は分かるのだから、こうした表示は不要だと思います。

 それに、「不使用」を強調すると、逆に、その添加物に安全面で問題があるかのようなイメージを広げることになりかねません。乳化剤以外の添加物は使っているのに、そこから消費者の目を背けさせることにもなるのではないでしょうか。

 そもそも、その場で食べるパン…

980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment