静かな注目を集めている蒸気機関車(SL)がある。8620形、通称「ハチロク」。映画「劇場版『鬼滅の刃(やいば)』無限列車編」に登場するSLのモデルではないか、とファンの間で話題だ。アニメの設定と同じ大正時代の車両だが、各地で保存されており、コラボ企画も相次いでいる。
「動いている無限列車が見たかったんです」。岐阜県大垣市の公務員渡部(わたなべ)裕太さん(27)は10月24日、京都鉄道博物館(京都市下京区)を訪れた。数日前に見た映画に登場するSLの「モデル」があると、ネットで知ったからだ。無限列車は主人公たちが乗り込み、鬼と戦う舞台となる。
同博物館は、館内の線路で客を乗せて走る「SLスチーム号」を運行している。時にはハチロクも登場し、けたたましい汽笛とともに黒白の煙を噴き出しながら走る。渡部さんは運転室や煙突などを眺めながら、映画の戦闘シーンに思いをはせた。「少しサイズ感は違うけど、よく似ている。映画は細部まで作り込んでいたんだなあと感心しました」
整備を担当するJR西日本の中川裕登(ゆうと)さん(34)は映画は見ていないが、PR動画やパンフレットを見ると「おお、そっくりですね」。小型のSLに多いという頂上部で蒸気をためる二つのこぶや、旅客用車両の特徴である大きめの車輪など、細かなところもよく似ているという。乗務員を排煙から守るための除煙板がまだ一般的でなかった時代の姿も共通している。
SLの専門家は太鼓判を押したが、映画制作サイドは「公認」していない。アニメ制作会社「アニプレックス」の担当者は取材に、「映画に登場するSLや場所のモデルについてはお答えしていない」と話す。
ただ映画のパンフレットには制作秘話が紹介されていて、昔の写真や保存されているSLを参考にしたとされている。
鉄道博物館にはハチロクに関す…
2種類
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment