山本逸生 大野晴香
2019年の参院選をめぐる買収事件で、河井克行元法相(60)=公職選挙法違反罪で実刑=から現金30万円を受け取ったとされる元広島市議(67)の弁護人が21日、広島市内で会見し、東京地検特捜部の検事に任意聴取を受けた際の録音データがあると明らかにした。検事が不起訴処分を示唆したうえで、現金は買収目的と認めるよう促すやり取りがあるといい、「供述を誘導する不当な捜査だ」と訴えた。
最高検も録音データを把握しており、「適切に対応する」としている。
元市議の弁護人の田上剛弁護士によると、元市議は現職だった20年3~6月に計9回、特捜部検事の聴取を受けた。計約7時間分の録音データには、「何かは受け取ったが、お金との認識も買収資金との認識もなかった」と否定する元市議に、検事が「認識がないというのは否認になる」「できたら議員を続けてほしい」などと言うやり取りが残っていたという。
元市議は最終的に同法違反(被買収)容疑を認める内容の調書に署名した。その後、「(受け取った時は)何も考える暇がないくらい急いでいた」と買収の認識を再び否定したが、「全面的に認めて反省していることを出してもらい、不起訴や、なるべく軽い処分にという風にしたい」などと言われ、調書は修正されなかったという。
田上弁護士は、有罪が確定すれば失職するため、「『言う通りにすれば不起訴になる』と、議員を続けたい元市議につけ込んだ問題のある捜査だ」と批判した。隠し録音した理由は「事実と違うと修正を求めても認められず、自己防衛だった」と説明した。
元市議は元法相の裁判に証人…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル