千葉県八街(やちまた)市で、トラックが下校中の小学生の列に突っ込み児童5人が死傷した事故で、現行犯逮捕されたトラック運転手が「(東京都内から)帰る途中に酒を飲んだ」と供述していることが判明した。
飲酒運転による大事故が起きるたびに厳罰化は繰り返され、死亡事故は減ってきた。それでもなお、昨年1年間に起きた飲酒運転による死亡事故は150件超に上る。
厳罰化のきっかけの一つは、1999年に東京都世田谷区の東名高速で乗用車が飲酒運転のトラックに追突されて炎上し、女児2人が亡くなった事故だった。2001年、最高15年の懲役が科される危険運転致死傷罪を新設する改正刑法が成立した。
その後も、06年に福岡市東区の海の中道大橋を走行中の乗用車が飲酒運転の車に追突されて海へ転落し、幼児3人が死亡するなど、事故は相次いだ。
これらの事故を受け、運転者の罰則をさらに重くしたり、酒の提供者や同乗者に対する罰則を厳しくしたりする法改正がなされた。00年に1276件あった飲酒運転による死亡事故はここ数年、200件を割り込んでいる。ただ、飲酒運転による交通事故は昨年だけで2522件。このうち159件あった死亡事故では計166人が亡くなった。
警察庁によると、飲酒の有無で20年の死亡事故の発生率を比べると、飲酒運転は飲酒なしの約8倍に当たる。同庁は「アルコールは脳の働きをまひさせ、注意力や判断力などが低下する。飲酒したら絶対に運転しないで」と呼びかける。
登下校中の児童が巻き込まれる事故も後を絶たない。
京都府亀岡市では12年、集団登校中の児童らに乗用車が突っ込み、女児2人と付き添いの女性が亡くなった。警察庁によると、16~20年に事故に遭った児童の死者・重傷者は4687人で、6割近くの2734人が歩行中だった。そのうち3分の1の908人は登下校中だったという。(田内康介)
市教委「対策進めてきたが…」
事故現場周辺について八街市は、危険な通学路だとして安全対策を進めていたところだったという。
通学路の安全をめぐっては…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル