大型で非常に強い台風19号の通過から一夜明けた13日、埼玉県西部を中心に被害状況が明らかになってきた。2人が死亡、多数の川で堤防が切れたり水があふれ出たりして500戸以上が床上に浸水した。県内に初めて特別警報が発令された今回、雨台風はその猛威をまざまざと見せつけた。
県西部を流れる越辺川や都幾川の堤防が決壊、氾濫(はんらん)した川越市や東松山市では、住居が浸水し取り残される人たちが相次いだ。消防や警察は13日朝からボートなどで救出にあたり、全員を救出した。
国土交通省関東地方整備局によると、13日午前5時25分ごろ、越辺川の堤防が川越市内で約60~70メートル、その後、東松山市内でも約20メートル決壊していることが確認された。同市内では同7時15分ごろ、都幾川の堤防が約100メートル決壊していることも確認されたという。
この影響で、川越市下小坂周辺では住宅の1階部分がほとんど水没。利用者や職員計約120人が一時孤立した特別養護老人ホーム「川越キングス・ガーデン」では、入居者らが数人ずつボートで安全な場所に運ばれた。救助された女性は「持病があり体調を崩さないか、施設から無事に出ることができるのか、すごく不安だった。助けが来てくれて、うれしかった」と話した。
家族4人で住む自宅から消防ボートで救出されたという中学1年生の男子生徒(13)は「猫を飼っているので避難できなかった。午前1時くらいに停電して、1階を見に行ったら玄関から水が入ってきているのに気づいた」という。壁からも水が噴き出し2階へ避難。「階段が1段ずつ水没して水面が迫ってくるのでどうなるかと思った」と振り返った。(西堀岳路、山口啓太、笠原真)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル