原口晋也
千葉県八街(やちまた)市でトラックが下校中の小学生の列に突っ込み5人が死傷した事故を受け、5日、長崎県佐世保市の通学路で安全点検が行われた。地元の相浦警察署が「千葉の現場に似ている市道がある」と危機感の共有を学校に呼びかけ、市や市教委も参加。その場で対策を協議した。
現場は同市新田町の田んぼ沿いの市道。並行する県道と違って信号がほとんどないため、朝夕を中心に通勤・退勤の車の通行量が多く、法定の時速30キロを超過して走る車も多いという。
警察が特に問題視している数百メートルの区間は、歩道と車道を分けるガードパイプがなく、車道の幅は5メートルほど。点検する間にも車2台がすれすれに行き交い、下校する相浦小学校の児童が歩く数十センチ幅の路側帯ぎりぎりに迫る場面もあった。
通学路点検の様子を見ていた地元の男性は「子どもたちが傘を差しながら歩くときは、車と接触しないかはらはらする」と話した。
点検を終えた関係者はその場で協議。警察が「八街のような凄惨(せいさん)な事故を起こさせない。パトカーの巡視で速度超過の車を取り締まる」と説明し、学校関係者は「大雨で側溝から水があふれて道路が冠水する。対策を考えたい」。市道路維持課は、薄れた路側帯のペンキを塗り直し、ドライバーの注意喚起のため路面に「学童注意」「速度落とせ」などの表示をする考えを示した。(原口晋也)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル