36人が死亡した2019年の京都アニメーション放火殺人事件で、殺人などの罪に問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判の第20回公判が4日午前、京都地裁であった。検察側による被害感情の立証で、遺族らの意見陳述が続けられた。
娘を亡くした親は意見陳述で、事件前日まで帰省していた娘を見送ったことを後悔しているとし、「前日まで枕を並べていたあの子がいない現実を受け入れられない」と述べた。娘は京アニの入社試験に一度失敗した後、専門学校で学んで入社したという。青葉被告に対し、「社員一人ひとりが挫折を克服してきたことを知らずに、京アニの輝かしい部分しか見なかった」と批判した。
被害感情の立証は今後、事件で負傷した京アニ社員らの陳述も行われる予定。その後、検察側が求刑を明らかにする最終論告と、弁護側が反論する最終弁論がある。
公判の最大の争点は刑事責任能力の有無や程度で、検察側は、青葉被告の事件前の行動などから「妄想の影響があったとは到底言えない」とし、完全責任能力があったと訴える。一方、弁護側は「妄想の世界で生き、妄想を前提に考え、物事を認識していた」とし、事件当時は心神喪失だったとして無罪を主張している。(山本逸生、光墨祥吾)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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