「生きてて良かった」喜ぶ原告 強制不妊、国に賠償命令 熊本地裁

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吉田啓 堀越理菜

 「不良な子孫の出生防止」を目的とした旧優生保護法のもとで、特定の疾患や障害がある人らを対象に不妊手術を強制したのは憲法違反として、熊本県内の男女が国にそれぞれ3300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が23日、熊本地裁であった。中辻雄一朗裁判長は訴えを認め、違憲と判断。国に対し、男性に1500万円、女性に700万円を支払うよう命じた。

 原告弁護団によると、全国10の地裁・支部で同様の訴訟が起こされており、勝訴は高裁を含め3例目。地裁では初となる。

 判決は、男性は1955年ごろ、女性は71年ごろに不妊手術を受けたと認め、旧優生保護法や強制不妊手術について「特定の障害や疾患がある人を一律に不良な存在であることを前提にした、差別的な思想に基づくもの」「子孫を残すという根源的な営みを否定する極めて非人道的なもの」と断定。憲法13条の幸福追求権自己決定権、14条の差別禁止を侵害しており、違憲との判断を示した。

 国は、不法行為があった時から20年が経過すると、損害賠償を求める権利が消滅すると定めた民法の規定「除斥期間」の適用を求めたが、判決は20年は過ぎたと認めたうえで、適用しない判断を示した。

 理由として、原告らが受けた…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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