「生きてもいい」伝えたくてプリン届けた 就労支援の前に必要なこと

 子どもから中高年まで――。ひきこもり状態にある人(15~64歳)が全国で推計146万人いることが内閣府の調査で明らかになりました。

 大人のひきこもり当事者をサポートするため、多くの団体や自治体は就労支援を掲げています。一方、大阪府吹田市にあるNPO法人「ウィークタイ」は、当事者向けの「居住支援」に取り組んでいます。なぜでしょうか。代表理事の泉翔さん(36)に聞きました。

 ――取り組んでいる居住支援は、どんなものですか。

 NPOの事務所以外に「居場所」を2カ所設けていて、一つは24時間管理人が住んでいます。会員がいつでも来ることができるようにしています。もう一つは新年度から、シェルターとして寝泊まりできるようにしました。

「泊まっていったら?」と言える場所に

 コロナ禍で家族の外出が控えられました。親やきょうだいとの関係が難しい人は、せっかくこのNPOや行政の支援を受けて少し元気になっても、家に帰ると再び精神状態が悪化したというケースがありました。「このままだと自分が死ぬか家族に手を上げるかしてしまう」という話も聞きました。

 そういう時に「泊まっていったら?」と言える場所にしたいと考えました。家より楽になるなら、という思いです。

 ――コロナ禍で不要不急の外出を控えるよう呼びかけられていた時期、多くの支援団体の居場所が閉じられました。

 影響で当事者たちの心身の状況がどんどん追い込まれていることがわかりました。そのため、昨年度もこのNPOの拠点は107日間開けました。延べ686人が訪れました。

 地元の拠点には近所の目を気にして足を運びにくいという傾向があります。遠方から電車やバスを乗り継いで、やっとの思いで来てくれた当事者も多くいます。

仲間にプリンを届けた理由

 コロナにかかって隔離された…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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