広島への原爆投下後に降った「黒い雨」に遭った人へ被爆者健康手帳を交付する新たな審査基準の運用が1日始まった。広島県内では同日時点で基準を満たした44人が被爆者と認められた。一方、新基準は司法が否定した病気の要件を残しており、被爆者団体などから「新たな線引き」との批判も出ている。
「ここまで生きとって本当に良かった」。広島市安佐北区の自宅に1日届いた手帳を手に取った角舛五男(かどますいつお)さん(84)は喜びを語った。7歳の頃、爆心地から北西に約20キロ離れた旧水内村(現・広島市佐伯区湯来町)の自宅近くの川で、同級生ら数人と遊んでいた時に黒い雨を浴びた。
30代で糖尿病を患い、その後、心不全も起こした。40年以上通院を続け、「風邪を引いたら命が危ない」と医者から言われたこともあるという。「体が弱いのは黒い雨のせいじゃないかなと不安じゃった」
角舛さんが雨を浴びた地域は…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル