豪雨による被害を減らそうと、大分県と大分大学が9日から、水田の貯水力を活用する「田んぼダム」の実証実験に取り組んでいる。水田から水路に出る排水量を抑えて河川の流量のピークをずらし、下流の被害低減をめざすものだ。
田んぼダムは、水田に普段より多く水をためることでダムのような働きを持たせ、河川の流域全体で水害を防ごうという「流域治水」の取り組み。熊本県が今年度から実証実験を始めるなど、近年、注目されている。
実証実験は、昨年7月の豪雨で大きな被害が生じた大分川流域にある由布市挾間町の3枚のモデル水田(計4300平方メートル)を活用。2枚の水田の水路への排出口に、排水量を抑える縦横約30センチの堰(せき)板を設け、水田や水路には雨量計や水位計を設置した。
出水期の10月ぐらいまで、降水量や、堰板がある水田と無い水田の水位のデータなどを収集し、流域全体で同じ取り組みをした場合に治水効果が期待できるかを分析、検証する。昨年の豪雨で被害が大きかった九重町にも堰板を設置、県内で最も水田面積が広い宇佐市でも7月初めまでには同様の実証実験を始める。
モデル水田では、農家が稲などの作物を栽培し、水田の水位が上がることで生育への影響が出なかったかどうかを、アンケートで把握する予定にしている。
由布市での実証実験に協力す…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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