「異常な古墳やな」大学生は震えた 20日後、確信に変わった違和感

 「異常な古墳やな」

 初めて足を踏み入れたその古墳は、寒さと静寂に包まれていた。

 周囲には他の古墳が見当たらない。独立し、ヘルメットを伏せたような形をしていた。当時20歳で関西大学文学部の学生だった森岡秀人(70)はわき上がる「震え」を覚えた。

 1972年3月1日、奈良県明日香村

 奈良盆地の南東部に位置する小さな村には田園が広がり、目立った大きな建築物はほとんどない。だがここは、万葉集に詠まれた舞台が数多く存在する、飛鳥時代の宮都だ。

 日本初の本格的都城・藤原京の南部にあるこの古墳は、「高松塚」と呼ばれていた。だが、松の木は見当たらなかった。かわりに竹が密生していた。

 「根が張っており、発掘は容易ではないな」

 古墳と対面してから20日後、森岡の違和感は確信に変わる。

■切り石をみつけた…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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