北海道の知床半島沖で観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が沈没して1年となった23日、地元の斜里町で、町役場や観光協会でつくる実行委員会による追悼式が営まれた。事故では20人が死亡し、6人の行方が分かっていない。地元では朝から、海に向かって手を合わせる人や献花台に花を手向ける人の姿があり、それぞれに犠牲者を思い、祈った。
カズワンが拠点としたウトロ地区の最低気温はこの日、1・7度。平年を0・8度上回ったものの、時折、冷たい風が吹いた。
午前9時過ぎ、ウトロ漁港では、車で訪れた男性が波打ち際で波に手を触れ、海に手を合わせていた。
道の駅「うとろ・シリエトク」に設けられた献花台では、斜里町に住むパートの70代女性が涙をぬぐいながら手を合わせた。「ご家族が毎日つらい思いで過ごしていることを思うと、町民として申し訳ない気持ちでいっぱい。見つかっていない方について、何か一つでも見つかれば。癒やされることはないけれど、一歩でも前進できたら」と、声をつまらせながら話した。
行方不明者の捜索ボランティ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル