東北地方も入梅。ジメジメとした嫌な季節だが、フルーツ王国ならではの「涼」を求めて、多くの人々が果物を使ったデザートに列を作っている。
「暑い季節にはこのゼリー。さっぱりした味で、お土産にぴったりです」
岩手県奥州市の老舗菓子店「後藤屋」で、お土産を買い求めていた地元の自営業の60代女性は、うれしそうに笑った。
お目当ては名物の「グレープフルーツゼリー」だ。手作業で搾ったグレープフルーツの果汁にゼラチンなどを加え、再び皮に注ぎ込んで冷やす。
防腐剤などは使っていないため日持ちはしないが、その日のうちに売り切れる。約20年前から夏季限定で売り出し、同店の人気商品になっている。グレープフルーツ1個を4分の1カットにし、一つ320円。
後藤大助社長(43)は「フレッシュな味と、つるんとした舌触りで、涼しさを味わって頂けたら」と話す。
秋田県仙北市の角館駅前では、果物店「さかい屋」の「食べにくい」フルーツパフェが人気だ。
売り出したのは約25年前。店内にイートインスペースを設け、旬の果物をふんだんに使ったパフェを販売したところ大人気に。
最近では「フルーツを盛りすぎていて食べにくい!」とSNSなどで評判が広がり、県内外から客が来る。
15種類あるメニューのうち、一番人気は「丸ごと桃だらけパフェ」(1千円)。旬の果物を使った「シャインマスカットだらけパフェ」(1200円)や、「台湾パインパフェ」(900円)も人気だ。
店主の堺研太郎さん(74)は「果物店だからできるフルーツパフェを、ぜひ多くの人に味わってほしい」と話している。(三浦英之)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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