静岡県熱海市伊豆山で発生した土石流の起点付近にある盛り土をめぐり、真相解明と責任の追及をめざす被災者の団体が動き出した。被害者の会が13日、伊豆山で記者会見し、盛り土の土地の所有者らを来週にも刑事告訴する方針を表明した。9月末には損害賠償請求訴訟を提訴する準備も進めるという。
伊豆山の土石流はこれまでに死者23人が確認され、行方不明は4人。遺族や被災者ら約30人が12日、「熱海市盛り土流出事故被害者の会」を設立した。
加藤博太郎弁護士は会見で「盛り土の流出は人災ではないかと考える。まず刑事事件の手続きに入る」と表明。所有していた土地に盛り土を積み上げた業者を業務上過失致死傷、盛り土を引き継いだ現在の所有者を重過失致死傷の容疑で告訴する考えを示した。
7月3日の被災から1~2カ月で刑事告訴と民事訴訟に乗り出す理由について、加藤氏は、行政による調査は「年単位」を要する場合が多いとし、「速やかに提訴し、所有者などに資料開示を求めていく。法的措置をとりながら、並行して証拠関係を収集していく」と説明。「事件が風化する前に速やかな措置を取る」と強調した。
被害者の会の会長には、母・陽子さんが犠牲になった瀬下雄史さん(53)が就任。法廷での責任追及の目的について、「悪徳業者を排除し、被害者をこれ以上増やさないようにする。一石を投じる」と発言。「母の死を通じ、世の中を少しでも、いい方向に変えていく」と思いを語った。
被害者の会はより多くの被災者の訴訟への参加を呼びかけている。太田滋副会長は「地域コミュニティーをどうやって復活させるか考えている。被害者が集まることで、より良い地域ができると良い」と話した。
被害者の会には、業者の盛り…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル