640万円の特殊詐欺被害を防いだとして、兵庫県警伊丹署は、池田泉州TT証券西宮北口支店の営業第二課長、茶谷敏章さん(42)に感謝状を贈った。
「投資信託を解約したい」。5月下旬、茶谷さんは、顧客で伊丹市の80代女性から電話を受けた。初めは新型コロナウイルスの感染が不安で、体調を崩した場合に備え、手元に現金を置いておきたいという理由だった。数日後、再び「相談がある」と電話をうけ、茶谷さんは休日だったが、女性宅に駆けつけた。
伊丹署によると、女性は自宅に電話をかけてきた介護施設の関係者を名乗る男に「不正な名義貸しをした」と言いがかりをつけられ、「解決金が必要だ」と迫られた。女性は320万円を宅配便で送付。その後さらに「公にされたくなければ640万円を」と求められ、投資信託の解約で準備しようとした。
事情を聴いた茶谷さんは特殊詐欺と判断し、警察に通報するよう説得。「他人に相談しないよう詐欺グループに口止めされていたようだ。思い切って相談してもらえてよかった」と話した。今年1~5月に県内で確認された特殊詐欺事件は413件(前年同期比226件増)、被害額は約6億5千万円(同2億3400万円増)。(中塚久美子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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