京都府舞鶴市長選に関し地元のコミュニティーラジオ局「FMまいづる」が企画した若者の討論会は、2月5日の投開票の後も終わらない。1週間後に新市長を招いて再開した。今後も定期的に続けるそうだ。(編集委員・曽我豪)
主権者教育の事例 有識者らの話を聞く出前講座や選挙の仕組みを学ぶ模擬投票が一般的だが、創意工夫次第で多様になるのが良さだろう。舞鶴市では、世代や性別の異なる候補者と公約を架空で想定し中学生が投票、選挙結果を皆で議論する「ロールプレイング方式」の模擬投票が行われてきた。
筆者の取材体験でも、実際の議場を使って中学生が市長に論戦を挑む(広島県安芸高田市)、全国の大学生に市長になった気持ちで町おこしの案を競ってもらう(福井県鯖江市)、架空の「まち」で子どもたちが会社や役所の仕事をまねし学ぶ(千葉市)など、実に多種多様である。
13日朝、スタジオを再訪すると、若者5人が興奮気味にジェネラルマネージャーの時岡浩二さん(55)と打ち合わせをしていた。
一番年かさの社会人、草場翔天(くさばしょうま)さん(20)の司会役がその場で決まった。近くラジオのパーソナリティーとしてデビューするが、いきなりの「本番」だ。「維新の話も聞きますか。やはり市政中心ですか」と、時岡さんと作戦を練る。
他の4人はみな私立高校3年の18歳だ。鈴木裕麻(すずきゆうま)さんと霜尾日向(しもおひなた)さん、真下咲華(ましもさはな)さん、松谷玲奈(まつたにれいな)さんは、緊張するなあと言い合いつつもどこかうれしそうだ。
不安点や政策 新市長に直撃
鴨田秋津市長(41)への訴えは、舞鶴の将来への不安から始まった。「遊びに行く場所を相談しても、舞鶴は出てこない」「マクドナルドがなくなって、薬局ばかり増えた」「就活を経験して改めて、舞鶴を選びにくい状況を感じた」
草場さんが皆の考えをまとめる。「大人は育児や教育に関心があるけど、やはり僕ら若者にとって一番の問題は、舞鶴に秀でたところがないということです」
市長も正面から答えようとは…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル