「知床旅情」「百万本のバラ」 加藤登紀子さんが「私らしく」歌う場

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聞き手・大滝哲彰

 歌手の加藤登紀子さん(78)が「ほろ酔いコンサート」を17日、大阪市で開く。各地で開催している年末恒例の催しだ。2022年という「特別な年」の終わりに開くコンサートへの思いを聞いた。

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 今年は本当にいろんなことがありました。声を上げて泣きたいことばかりです。それでも歌に支えられ、歌に力をもらいながら、歌手として生きてきたと実感した年でもありました。

 《加藤さんが歌い、大ヒットした「知床旅情」。歌の舞台となった北海道・知床半島では4月、多くの人が犠牲になった観光船の事故が起きた》

 私は知床の厳しい自然の中で生き抜いてきた人々の苦しみを知っています。だからこそ、無謀な航海のすえに多くの方が犠牲になった、そのことが残念でなりませんでした。

 9月、知床半島に近い大空町でコンサートを開きました。亡くなった人、今も海に漂流しているであろう人に語りかけるように「知床旅情」を歌いました。本当に特別な瞬間でした。

 その日、行方不明だった2人のご遺体が見つかったんです。地元の方が「登紀子さんの歌が聞こえたんだね」と言ってくれて、たまらない気持ちになりました。

 かとう・ときこ 1943年、中国・ハルビン(旧満州)生まれ。65年、東京大学在学中に歌手デビュー。69年の「ひとり寝の子守唄」、71年の「知床旅情」で日本レコード大賞歌唱賞受賞。「百万本のバラ」に込められた思いを記した著書「百万本のバラ物語」(光文社)を21日に出版する。

 この歌に込められているのは…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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