祭りの熱気が戻ってきた。江戸三大祭りに数えられる神田祭は13日、神事の「神幸祭」や最もにぎわう「神輿(みこし)宮入(みやいり)」があった。コロナ禍の影響で4年ぶりに通常規模での開催。時折、激しい雨が降る中、神田明神(東京都千代田区)や周辺は威勢のいいかけ声が響き、大勢の人でにぎわった。
神田祭は、京都の祇園祭、大阪の天神祭とともに日本三大祭りともされる。2年に1度の開催だが、前回の2021年は、コロナ感染対策のため関係者による神事のみ。神幸祭や神輿宮入などの行事は中止されていた。
4年ぶりの神幸祭は、三柱の神が乗った鳳輦(ほうれん)と神輿を中心とするきらびやかな行列が大手町や日本橋、秋葉原を練り歩いた。大黒様やえびす様など、趣向を凝らした曳き物や仮装行列が巡行する「附け祭」も行われた。
神輿宮入は午後4時に始まり、各町の神輿が次々と神田明神に入っていった。観衆からもかけ声があがり、神輿が入るたびに熱気に包まれた。横山町町会の担ぎ手の古井丸秀樹さん(49)は「やっと、普通の日常が戻ったことを実感できた。神輿の重みが心地よかった」。昨年末、コロナ禍の影響で会社を閉じたといい、「力をもらえたし、次の道で頑張りたい」と額に汗を浮かべながら話した。14日も神輿宮入が予定されている。(中村瞬)
コロナ禍以外の危機も
金色の神輿がオフィス街を回っていく。13日、神田の町にかけ声が響いた。
東京都千代田区の錦町三丁目町会もその一つ。出版業を営む町会長の前田智彦さん(61)は幼い頃から参加してきた。「神田祭がないと生きていけない。祭りのある風景が戻ってきて素直にうれしい」と話す。
町会は、ビジネス街の大手町…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル