高知の真夏の祭典「よさこい祭り」が、新型コロナウイルスの影響で中止になることが決まった。1954年の開始以来、中止は初めて。県内でも感染が拡大するなか、踊り子チームの関係者から理解を示す声が聞かれたが、地元経済への影響は避けられない。
県や高知市、高知商工会議所などでつくる主催団体・よさこい祭振興会が27日、「不特定多数の人が長時間集まる状況が避けがたい」などを理由に中止を発表した。
今年は67回目で、8月9~12日に高知市中心部で予定されていた。一方、新型ウイルスの県内の感染者は今月26日までに73人(うち死者3人)と収束が見通せない。振興会は当初、総会を開いて開催の可否を決める予定だったが、緊急事態宣言が全国に拡大され、書面での議決に変えた。振興会によると、中止とする議案に全役員58人が賛成したという。
振興会によると、63年と72年に台風の影響で日程が変更されたが、開催されなかったことはないという。市観光協会は、関連事業として鏡川河畔で毎年実施している市納涼花火大会の中止を決めた。
昨年の祭りには国内外から207チーム、約1万8千人の踊り子が参加した。県内最大の祭りが中止になり、関係者は複雑だ。
第1回から参加している踊り子チーム「帯屋町筋」の隊長楠瀬昭一さん(45)は「物足りない夏になりそうだが、今の状況では仕方ない。収束して早く元気な高知に戻ってほしい」と話す。同じく第1回から参加し、正調の鳴子踊りを守り続けている市役所踊り子隊の総指揮を務める市職員の神尾秀樹さん(54)は「この状況下なら祭りよりコロナ対応を取るべき。無理をして復興につながらないと本末転倒」と理解を示す。
よさこい祭りの内容や歴史が学…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル