川崎市の有料老人ホームで2014年、80~90代の入所者3人をベランダから投げ落としたとして殺人罪に問われ、公判では犯行を否認しながら死刑が確定した施設の元職員、今井隼人死刑囚(31)が、事件の取材を続けてきたノンフィクションライター宛てに、「私がやった」と告白する手紙を送っていたことがわかった。「自分の持っている(救命救急の)技術を周りに見せたいとの気持ちが強くありました」と記した。
確定判決によると、今井死刑囚は14年11~12月、87歳の男性と86歳、96歳の女性(いずれも当時)を施設の4階や6階のベランダから投げ落として殺害した。
上告取り下げ後、ライターに手紙
死刑囚は捜査段階で犯行を自供したが、公判では一転して無罪を主張。犯行を直接証明する証拠がない中、一、二審は、自白調書の信用性を認めて死刑とした。死刑囚側は上告したが、今年5月11日付で上告を取り下げ、死刑が確定した。
ノンフィクションライターの高木瑞穂さん(47)は1年3カ月ほど前から、死刑囚と手紙のやりとりや面会を重ね、手紙の内容を投稿サイト「note」に公開してきた。上告取り下げを知って死刑囚に手紙を送ったところ、5月22日に速達で返信が届いたという。手紙に書かれた最後の日付は、上告取り下げ後の5月20日だった。
つづられた「動機」と「否認の理由」
死刑囚は手紙で、事件は「実は私がやったことで間違いないのです」と告白した。
最初の被害者の殺害について…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル