安斎耕一
「私たちには使命があります」。6日の平和記念式典で、こども代表の2人による「平和への誓い」はこんな言葉から始まった。
広島市立袋町小学校6年の伊藤まりあさん(12)と、市立五日市東小学校6年の宅味(たくみ)義将さん(11)。「本当の別れは会えなくなることではなく、忘れてしまうこと」「小さな力でも世界を変えることができる」。原爆の犠牲になった人々を忘れず、悲惨な過去を繰り返さない。誰もが幸せに暮らせる世の中をめざす努力を続ける――。そんな思いを込めた。そして結びの一文。「広島で育つ私たちは、使命を心に刻み、この思いを次の世代へつないでいきます」。声を合わせ、決意を伝えた。
式典が終わり、宅味さんはほっとした表情で言った。「私たちにも平和を守り継ぐ使命があるということを一番伝えたかった」。伊藤さんは「心から平和だと思える世界にしたい。けんかをやめたり、譲り合ったりして、自分にできる身の回りの『平和』からやっていきます」と話した。(安斎耕一)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル