千葉県での単身赴任生活が、1年を過ぎた頃だった。
平日は千葉にある家賃4万5千円のアパートで過ごし、週末に川崎市の武蔵小杉に買った中古マンションへ帰る。
製薬会社の営業担当だった男性(37)は、当時5歳と3歳の子どもと公園で遊ぶのが楽しみだった。
中学校時代の同級生だった妻とは、24歳の時に結婚し6年目。たまにけんかはするが、一緒にお酒を飲んだり、子育ての話をしたり、円満な夫婦生活を送っている、と思っていた。
2016年の正月、近くに住む互いの実家で年始のあいさつを終え、帰宅した夜のことだった。
「今年のゴールデンウィーク、どこか旅行に行こうか」と妻に話しかけた。
だが返事がない。
「何で無視するの?」と問うと、しばらくの沈黙の後、言われた。
「離婚してください」
離婚を告げられた男性は自らを振り返り、苦しみの末に光を見いだしていきます。このところ、「弱音を吐くな」「大黒柱でなければ」といった従来の「男らしさ」にとらわれ、苦しむ男性のありようが注目されるようになってきました。その悩みの実態や背景について掘り下げていきます。11月19日の国際男性デーの前後に配信する連載(全9回)の初回です。
「んん?!」…
Think Gender
男女格差が先進7カ国で最下位の日本。生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダーについて、一緒に考えませんか。[記事一覧へ]
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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