袴田巌さんは逮捕後の1967年から死刑確定後までの20年超、獄中から家族らに手紙を出し続けていた。司法への期待と絶望、獄中での日々、そしてむしばまれていく精神――。数千枚の手紙からその半生をたどる。
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さんま缶一、みかん十五、大福六――。死刑囚として東京拘置所に収監されていた袴田巌さん(87)から月末に届く手紙には、その月に家族らから差し入れてもらった食品が記され、感謝の言葉が添えられていた。
その一覧に、ひときわ目立つ記載があった。「キラキラ星」。1987年1月の手紙では、赤字で催促していた。
《尚(なお)、現時点で乏しくなっているのは、扇雀飴とキラキラ星です》
(87年1月、家族宛て)…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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