川野由起、猪瀬明博
埼玉県寄居(よりい)町で花輪利一郎町長(76)や町職員約100人が新型コロナウイルスのワクチンを「医療従事者等」の枠で接種していたことについて、花輪町長は14日午前、町役場で記者会見を開いた。花輪町長は「私は常に現場主義。コロナとのたたかいに、私が先頭に立って取り組まなければいけないが、町民にうつすことがあってはならない。誤っていたとは思っていない。町民にはご理解を頂きたい」と話した。
町によると、花輪町長は、町で90歳以上を対象に集団接種が始まった4月18日と5月9日に接種した。副町長、教育長も2回の接種を受けていたほか、職員約100人が少なくとも1回は接種を受けている。
寄居町居住の65歳以上の高齢者は約1万1千人。町ではこのうち、「90歳以上」を対象に4月18日から町立総合体育館で集団接種を始めている。1日の接種者は最大600人を見込んでおり、介助や予診票の入力などを1日に30人前後の職員が交代で手伝うという。
国が示している手引きでは、接種会場でコロナ患者と頻繁に接すると自治体が認める職員については、医療従事者等に含めてもいいとされている。ただし、「直接会場で予診や接種等を行う者」が対象で、「送迎や会場設営等を行う者等は含まない」としている。
町のホームページによると、2020年4月時点で職員数は257人。
町によると、3月に各課に声かけして手伝う職員を募り、希望者は「医療従事者等」にみなされるとして接種対象にしたという。
首長が医療従事者等に含まれるかどうかについて、県の担当者は「なかなか想定がしにくい」としつつ、「もし仮に接種者と直接かかわる業務に携わっているなら、対象になる可能性も否定はできない」とする。(川野由起、猪瀬明博)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル