山中伸弥・京都大教授がヒトのiPS細胞を2007年に作製してから15年が経つ。山中教授は10年の設立以来、京大iPS細胞研究所の所長を務めてきたが、3月末で所長を退任する。iPS細胞を使ったパーキンソン病治療の研究者で、4月から新所長に就く、高橋淳・京大教授に抱負や展望を聞いた。
――山中教授から所長を引き継ぐ抱負は。
iPS研を設計する前からずっと一緒にやってきたところがあるので、山中教授がやってきたことを大きく変えるというわけではなく、続けていく。
――これまでの研究の進み具合や今後の展望は。
07年から、iPS細胞とその技術を社会に役立てるということで、臨床(人への移植)に使えるiPS細胞をつくることが当時の目標だった。患者自身の細胞を使った網膜組織の移植が14年に初めてできて、次にはストックしているiPS細胞を使った移植も心臓や脳で実施した。私の中ではそこまでは第1ステージで、達成できた。
次に何をするかで、私がよく…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル