社会や行政、政治との対話を通じて日本の科学を「元気に」しようと、若手科学者らがNPOを立ち上げ、都内で18日、総会を開く。日本の科学の目下最大の課題は研究力の回復だ。科学者や科学を支援する様々な人たちの声を集め、研究環境の改善などの政策提言を行っていく。いわゆる「学術会議問題」などで、ぎくしゃくする学術と政治・行政の関係を改善させる思惑もある。
NPOは「日本科学振興協会」(JAAS=小野悠、馬場基彰代表理事)。設立には準備委員会の委員約200人が関わり、賛同する人は約800人に上る。賛同者は大学などの研究者が38%、学生が12%、そのほかは企業や自営業、メディア関係者など多彩だ。委員の半分が30歳代以下と若い。人文科学、理学、工学などの幅広い分野の研究者や企業研究者もおり、現在は会員を広く募集している。
総会では、研究環境の改善のほか、基礎研究を応用に結びつけるイノベーションのあり方などをめぐるパネル討論が行われる予定で、日本学術会議の梶田隆章会長ら科学界の大御所のほか、政界からは自民党の船田元衆院議員らが参加、立憲民主党の泉健太代表もメッセージを寄せる。
京都大で物理学を研究する馬場基彰代表理事によると、設立は4年前、委員の1人が研究現場の実情や問題意識を自民党の「科学技術基本問題小委員会」の関係者にメールしたのがきっかけという。「研究制度の改善のため、もっと多くの声を政治家に届けてほしい」という返信を受け取った。政治の側にも「危機感」を持つ人たちがいることを知り、知人らに声をかけ、賛同する若手科学者が集まった。
協会が活動のお手本とするの…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル