TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。6月10日(月)の放送では、厚生労働省が検討を始めた在職老齢年金制度の廃止・縮小について意見を交わしました。
◆「在職老齢年金制度」とは?
一定の給与がある高齢者の厚生年金を減らす「在職老齢年金制度」。厚生労働省は、年金が減ることを理由に高齢者が働かなくなることを懸念して、この制度の廃止・縮小を検討する方針を固めました。
給与と年金の合計額が、60~64歳は月28万円、65歳以上は47万円を超える場合、超えた分の半額を年金から差し引くなどの仕組みです。この制度を完全に廃止するとなると、年金支給額は年1兆円以上も増え、財源の手当などが課題となるだけに、今後の年金制度改革における焦点の1つとなりそうです。
なお現在は、60~64歳の対象者は88万人。65歳以上の対象者は、36万人程度と言われています。
◆どこまで年金をあてにして人生設計すべきか…
manma代表で慶應義塾大学大学院在学中の新居日南恵さんは「年金をどこまであてにして人生設計をするべきなのか、若い世代も気になっていると思う」と分析。さらには、年金があるから働き続けなくてもいい、貯金しなくてもいいという意識はなく「細く長く働く道や、お金も自分の分は自分で、みたいな発想が強い」と意見を述べます。
◆見通しをはっきりさせるべき
キャスターの宮瀬茉祐子も、将来の年金受給をあてにしていないそう。しかし、長年年金を支払い続けてきた人のことを考えると「ここまで(年金を)払ってきたのに何でもらえないの!? という気持ちが、怒りに変わるのはわかる」とのこと。
経済評論家の加谷珪一さん曰く、個人消費が落ちている原因の1つは「将来の不安が大きいということ」だとか。そして、それを解消するためには増税が必要で、そうなるとまた個人消費が落ちるという堂々巡りの可能性を示唆。とはいえ「人間、不安だとやる気もおきませんし、(年金が)減るにせよ、どのぐらいの見通しなのか、はっきりさせないといけない」と見解を述べます。
◆日本は小さくても豊かな国に変化できるか
高齢者が働かなくなることを懸念する一方で、労働力確保のために海外の労働者受け入れの規制緩和も進めています。MCの堀潤は、日本の向かうべき方向を20代の新居さんに問います。
すると新居さんは、従来通りの経済成長を捨てられない気持ちもわかると前置きしつつ「それよりも、小さくても豊かな国に(するために)私たちがどうやって変わっていけるのかを考えることの方が多い」と回答。
最後に加谷さんは、今後の展望として日本の「1億人の消費市場」をいかに活用するのかをポイントに挙げ「お金を使うようになれば、自力で成長できるはず。工夫次第だと思いますね」と見通しを語りました。
番組では、視聴者に「稼ぐ高齢者の年金減額、廃止すべきだと思いますか?」というテーマで、生投票を実施しました。結果は以下の通りです。
◆稼ぐ高齢者の年金減額、廃止すべきだと思いますか?
思う……813票
思わない……1041票
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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