落語家の桂文珍(71)が、38回目となる8月8日恒例の独演会を大阪・なんばグランド花月(NGK)で開く。時代を見つめ、あまたの爆笑を起こしてきた大看板は、前例のないコロナ禍の世にいかなる笑いを生み出すか。
東京五輪のあるはずだった今年は、大きな挑戦を掲げた年でもあった。芸歴50周年記念と銘打ち、2月末から東京・国立劇場大劇場で20日間の独演会という前代未聞の企画に打って出た。ところがコロナのため日程変更の末に14日分の開催に。なんとか迎えた千秋楽の3月24日を最後に、3カ月以上も高座を離れることになった。
ぬいぐるみを相手に
「長い間、失業してました。『骨休め』し過ぎると骨が折れます。最初は、ちょっと落ち込みましたけれど。それでも稽古せなと、お客さんの代わりにぬいぐるみを並べてやりました。あいつら笑わへん。人間って面白いもんでね、順応性がある。慣らされているのか、慣れているのかようわかりませんけど」
拡大する落語家の桂文珍。フェースシールドも笑いのネタに=2020年7月20日、大阪市中央区
四半世紀前の阪神・淡路大震災で神戸の自宅は被害を受けたが、落語に救いを求められた。今回は公演がなくなった。やることもなくなり、インターネットのレシピなどを参考に料理に凝り出した。出身の兵庫県丹波篠山市で過ごす日も増えたといい、野菜を譲ってくれる地元の人との出会いも。ほっこりしたエピソードを語りつつ、「農耕接触ですわ」と笑わす。
拡大するコロナ禍で高座に上がれなかった時期の出来事をユーモラスに話す=2020年7月20日、大阪市中央区
- 桂文珍独演会
- 大阪市中央区のなんばグランド花月で8月8日午後6時半開演。4500円。チケットよしもと(0570・550・100)。
コロナで生まれたネタやさかい
「しゃあないやん。だれが悪いわけでもない」
コロナ禍をそう受け止めている…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル